4.4.2 能力、訓練及び自覚
▼必要な能力
重大な環境影響の原因となるかもしれない作業を行う社員は、必要な
能力を持っていなければなりません。その社員が能力を持っているかどうかという事は、ハッキリさせておいて下さい。能力を持つための手段としては、適切な教育・訓練を受けることのほかに、経験を積むということがあるでしょう。この”能力をもっているという事をハッキリさせる事”の記録は残して下さい。
【言葉の解説】
”原因となるかもしれない”は、原文でhave possible to causeが使われています。
「何回かに1回以上(常にを含む)発生する」の他に、「事故などのときには...かもしれ
ない」まで含むと受け取る必要があるでしょう。
”社員”には、4.2項などと同じように、会社に属しているかどうかという事にはこだわら
ずに、派遣社員、嘱託社員の様な人までを含めて下さい。
”能力”は、04年版のJIS訳では”力量”と訳されています。ISO9001の訳と合わせた
ものですが、”力量”というのは日常使わない言葉なので、口語訳:ISO14001では96
年版訳のまま”能力”とします。原文では”competence”となっています。
余談ですが、9001の訳で”力量”という訳になっているのは、competenceの定義に
skillという言葉が使われていて、そちらを「能力」と訳してしまったために、competenceを
仕方なく「力量」と訳したものです。
”教育”には、educationが使われています。入社前の学校教育を考慮しても良いと思
われます。
【解説】認証審査上、「能力を持っている事はどのようにすれば確認できるのですか?」
「テストをしました、これが記録です。」というやりとりがよく見られます。社外の人に説明
しやすい方法ではありますが、ペーパーテストが唯一の能力確認方法ではありませんし、
全ての場合にそこまでの確認が必要とも限りません。必要の度合いによって、調整して
下さい。
▼必要な訓練
会社は、どのような作業をする人にどのような
訓練が必要なのかということをハッキリさせておいて下さい。訓練が必要だという事がハッキリしたら、会社は訓練を行うか、その代わりに何かして下さい。この、訓練かその代わりの何かは、行った記録を残しておいて下さい。
【解説】”訓練”とは、原文に”Training”とあります。机に座って講義を受けるようなものより
は、OJT(On the Job Traing)のイメージに近いでしょう。もちろん、講義であっていけない
わけではありません。但し欧米文化では、講義を伴う訓練であっても演習が主体になる事
が大半ですから、ISO14001を作成した人たちの意図は『トレーニング』という事でしょう。
日本で「訓練」と言ったら、勝手に「教育訓練」と連想されるのとは、対照的です。
尚、JIS訳は”Training”を勝手に「教育・訓練」と訳しています。その為、講師がテキストを
作成して・・等という誤解がある様です。原文にはあくまでも、「教育」なんて書かれてい
ません。(上段の、学校教育を意味しているeducationの部分は別。)
”その代わりの何か”には、「元々訓練を受けている人を社内で異動させる」、「訓練を
うけている人を雇う」などがあります。「社外で講習を受けてくる」は、”訓練を行う”の方に
入れて良いのではないかと思いますが、いずれにしてもそれでOKです。
▼全社員の自覚(意識)
全社員が次の事を
自覚(意識)できるように、会社は手順を整えて、実施して、必要な場合には手順を改めて下さい。
・環境マネジメントの為に、各社員が何をやらなければならないのか。
・なぜ環境マネジメントを行うのかという事。
・環境マネジメントを行うと、どのように環境に良いのか。また、環境配慮しないで作業した
場合、どのように環境に悪いのかといったこと。
・社内ルールを守らなかったら、どんな事が起こるのかということ。
【解説】
”全社員”については、上段と同様、派遣社員、嘱託社員などまでを含めて下さい。
”環境マネジメントの為にやらなければならない事”には、「緊急事態が起きない様に
しておく方法」、「緊急事態が起きたときに行うべきこと」を含めておいて下さい。04年改訂
で削除されてしまったのですが、改訂前は明記されていました。当然、やらなくてもよく
なったというわけではなく、しつこいので書かなくしただけと思われます。
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