口語訳:ISO14001
4.4.3 コミュニケーション(情報伝達)


▼社内からの情報受信
▼社内への情報発信
▼社外からの情報受信
 会社は、会社の環境や環境マネジメントについて、コミュニケーションのやり方を定めて、その通りに行って下さい。また、必要な場合には改める様にしてください。

 その”環境に関するコミュニケーションのやり方”には、少なくとも次の事は定めておいて下さい。

  a)社内で上から下への情報の周知・徹底。下から上への情報の吸い上げ。
  b)社内での、部門間などの横の情報伝達。申し送り。
  c)外部からの情報(苦情、指導、新技術情報、イベント情報・・・)について、受け付けて、
    記録して、対応をとること。

  【解説】a)〜c)は、i)社内の縦横の情報発信、ii)社内の縦横の情報受信、iii)社外から
    の情報受信、と言う様にも整理できます。
     ”社外への情報発信”については、次の段落にしか書かれていません。



▼社外への情報発信
 会社は、主に”著しい環境側面”についての環境パフォーマンスを、社外に公表するかどうか、公表するならどのように公表するかを、決めて下さい。その決定は(記録するなど)文書に残して下さい。また、公表すると決めたなら、公表のやり方はちゃんと決めて、決めたとおりに行って下さい。

  【解説】ISO14001以外の環境マネジメントシステム規格では、「環境報告書を発行して、
   環境パフォーマンスを社外一般に公表して下さい」という事になっています(ヨーロッパ
   のEMAS、日本の環境省のエコアクション21、ISO14001の元になったイギリス規格
   BS7750など、筆者が知る限りの全ての規格。但し、小規模企業のみを対象に考え
   られた規格を除く)。また、ISO14001が出来る以前からの環境マネジメントシステム
   では皆「環境報告書(又はそれに近いもの)」を当たり前に発行していました。
    それは、環境マネジメントシステムが、”一般社会のニーズ”を取り扱うものなので
   (序文【解説】)、特定の誰かに報告するのではなく、一般社会に報告するのです。

    ISO14001初版の原案作成作業中も、途中まで「会社は、環境パフォーマンスを社外
   一般に公表しなければならない。」となっていたのですが、環境パフォーマンスの公表
   義務付けを嫌がる国の意見を取り入れて「少なくとも、どうするのか検討して記録して
   おいたら、ムリに公表しなくても構わない」という意味になってしまう、とても”標準”とは
   思えない様な文が出来上がってしまったのです。
   
    しかも、JIS訳にもある通り、”環境パフォーマンス” → ”著しい環境側面について”、
   ”公表” → ”外部コミュニケーション”と言い換えられてしまったために、わけがわから
   なくなってしまっています。(筆者も、原案の文を聞くまでは理解不可能でした。)
    「うちの会社は、これとこれを”著しい環境側面”ということに決めました」という事を外部
   コミュニケーションして欲しい、という意味ではありません。環境方針を見ればだいたい
   分かりますし、そんな事に興味を持つ人が居るとは思われません。


   【96年版の付属書A.4.3項ばかりを参考にした誤解】
    ただでさえ理解しにくい”著しい環境側面に関する外部コミュニケーション”ですが、
   96年版では、ISO14001の付属書Aに「緊急事態が起きた時に、行政に連絡をとることを
   考えて・・・」なんて書かれでしまっていたので、誤解する方がむしろ多くなってしまって
   いました。事故が起きた時に、消防署や県、市に連絡するのは、緊急事態の対応として
   コミュニケーション云々以前に”当たり前”のことなのですが...。

    世の中に『会社は、”著しい環境側面”に関して、必要な時に誰かに連絡を取るための
   方法をあらかじめ考えておいて、その決定を(記録するなど)文書にしておいて下さい。
    例えば、緊急事態が起きた時に、消防署や、都道府県、市町村に連絡をとるということ
   が考えられるでしょう。』という意味だ、という誤解が多いのはこのためです。
    (04年改訂で、付属書A.4.3の変な記述は削除されました。)




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