口語訳:ISO14001
用語 3.6 環境側面

 会社の活動(や製品、サービス)から発生するもので、環境の変化(つまり”環境影響”)の原因となるものを指します
 ”環境の変化の原因となるかもしれないもの”も同様に環境側面です。

 感覚的には、会社と環境との境界線(下記)を越えるモノやエネルギーの出入りで、「〜の消費」、「〜の排出」という様な表現で表されるものがほとんどです。
 難しい言い方が許されるなら、環境とのインプット・アウトプット、あるいはインターフェースと呼ばれるでしょう。



具体例:
   会社の活動        環境側面      環境の変化(環境影響)

    車で移動   →   排ガスの排出  →   空気が汚くなる
             →   燃料の消費   →  石油埋蔵量が減少する
             →   騒音の発生   →   うるさくなる

 筆者がこのサイトを運営することで、環境マネジメントに関する理解を深めて下さる方がいらっしゃればそれによって、環境はよくなるかもしれません。そうすれば「読んだ人の理解が深まる」は、”環境側面”ということになるでしょう。 



 注意事項

 ”環境側面”は、今、現にあるものだけでなく、時々から数年に1回しか発生しないもの、事故でも起こらない限り発生しないがその様な場合には発生するもの、将来発生することが予想されるもの、までを含めて”環境側面”です。つまり、流出事故が起きたときになどにドバッと「
排出してしまう可能性」、ドバッと「消費してしまう可能性」なども環境側面として忘れてはならないものです。 規格文にある『環境と相互に作用する”可能性のある”』と言ったらここまでを考えなければなりません。

 「騒音の発生」「理解が深まる」「・・の可能性」などの様に、「〜の消費」「〜の排出」と表現できないものもありますが、可能なら
「消費」「排出」で表現する様にして下さい。特に「消費」を「使用」と言い換えてしまうと、「かなづちの使用」「スパナの使用」などのように、すり減ったりしないものまで挙げてしまい混乱している例があります。また、「排出」を「発生」と言い換えてしまい、「ゴミの発生」としてしまって、「今まで捨てていたものを、社内で利用した場合どうなるんだ!」という様な混乱を起こしたりしてしまいます。(音の場合は、「音の排出」とは言わないので仕方ない。)


 会社と環境との境界線:

 会社と”会社をとりまいているもの”の境界線ですから、
  例外はありますが、
 『会社の敷地境界線、地面、上空数メートル、に囲まれた空間』と理解すれば良いでしょう。



〜〜 ところで 〜〜

 ”環境側面(Environmental Aspect)”という用語がこの世にあるだけで十分にややこしいのに、なぜ、”環境影響(Environmental Impact)”と区別までする必要があると思いますか? 実際に、ISO14001の元になったイギリス規格(BS7750)では、”環境影響(- Effect)という用語しか使っていませんでしたし、欧州規格(EMAS)でも”環境問題(- Problem)”という用語しか使っておらず、それぞれ一つづつです。

 筆者が考えるに、”環境側面”は取組(改善や管理)の対象になりますが、”環境影響”は取組対象にならないので、紛らわしい要素を区別しようということなのではないかと思います。自社が排ガスを排出して、空気が汚れたとしても、屋上に巨大な空気清浄機を取り付けて環境影響を改善しようとするのはあり得ないですね。普通は、自社から排出される排ガスの質や量を改善します。

 同じ様に、”環境側面”の量は把握が出来ますが、”環境影響”の量は把握が難しいものが多いです。排ガス−大気汚染ぐらいなら大差ありませんが、環境教育をするときに使うテキストの印刷を考えてみて下さい。内部監査員を養成するくらいの時には、一人分200ページにもなったりしますが、数える事は可能ですし、受講者数を掛ければ小学生でも計算できます。しかし、その環境影響の”森林が減少する”というのはどうでしょう?数千枚の紙を消費すると、森林が何平方m減少?、何本の木が?枝が?・・・・
しかも、使った紙の再生原料率は何パーセント?要らなくなったら、ゴミに出しますか?ちり紙交換に出しますか?・・・・・・・・もう把握できません。

 つまりは、「環境側面は会社のもの」なのです。だから量も把握可能だし、取組の対象とすることが出来るのです。それに対して「環境影響は環境のもの」なのです。会社の周りの空気が汚れているのは、自社の煙突から排出された分ばかりではありません。ですから、量の把握が困難だったり、取組にするのが現実的でなかったりするのです。この両者の違いを正しく把握することが、マネジメントシステムをスッキリ構築するポイントとなってくるのは間違いないでしょう。



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