1. 適用範囲
ISO14001には、会社などが環境マネジメントシステムを作り上げる時に、考えなければならない事柄(適用される法律など、取り組むべき環境的問題点)をちゃんと考え、環境改善活動の方向性を決められる様に、「このようにしてください」ということが書かれています。
ISO14001は自社内部の環境的問題点にだけしか当てはめないのではなく、自社に納入されるものやサービス、自社の製品に関して、納入者やユーザーなどに頼んだら「ちゃんと管理してもらえる様になるだろう」、あるいは「改善してもらえるだろう」と思われるものまでに当てはめます。
ただしISO14001は、どれだけの環境パフォーマンス(成果)を上げなければならないか、という事には触れていません。
【解説】上記の赤字部分は、JIS訳では04年版改訂で初めて盛り込まれたように見えますが、
原文でも、この口語訳でも、96年版から書いてありました。ちなみに、大切なことなので赤で
強調してあります。
ISO14001は、次の様な会社(やその他の団体)が利用できます。
a)環境マネジメントシステムを実施し続け、改善する
b)宣言した環境方針どおりにやっている事を自社で確かめる
c)宣言した環境方針どおりにやっている事を社外に示す
d)認証機関に認証してもらう
e)ISO14001通りにやっていることを自社で確かめ、自己宣言する
f)自己宣言したことについて、社外の人に確認してもらう
ISO14001に書かれている事は、どんな団体の環境マネジメントシステムにも当てはめられるようなつもりで書かれています。会社ごとの適用範囲(環境マネジメントシステムを実施する範囲)は、環境方針や会社の仕事の種類などによって変わってくるでしょう。ISO14001の付属書Aには、ガイドが書かれていますので参考にして下さい。
2. 引用規格
ありません。
3. 用語の定義 (ちなみに項目順は原文のアルファベット順です)
3.1 監査員
監査を行う力のある人。
3.2 継続的改善
環境マネジメントシステムをいつまでも改善していくという事(改善はやめてしまってはいけません)。もちろん、それは環境パフォーマンスが向上する方向でなければなりません。
【解説】改善は、やめてしまってはいけませんが、次の改善の準備のためなど止まる時が多少
ある事まで、いけないわけではありません。
3.3 是正処置
起きてしまった”不適合”が再発しないように、その原因を解消する行動。
3.4 文書
何かの情報や案内。また、それが書いてあるもの。
例えば、紙、フロッピーディスク等の磁気記録、CD等の光学記録、写真、限度見本など。
【解説】4.4.5項に、「記録も文書の一種」と書かれています。
【文書の種類】も参照
3.5 環境
会社とその活動をとりまいているもの。
地球環境や自然環境の他に、『人』も環境に含まれると考えて下さい。
【解説】序文に、作業環境はISO14001では”環境”とは扱わなくて良いと書いてあります。
「とりまいていない」という事でしょう。もちろん、自主的に取り扱う事にしてもよいです。
環境側面の解説ページ”会社と環境の境界線”も参考にして下さい。
【ちょっとだけ上級な解説】も別ページに用意してあります。参照して下さい。
3.6 環境側面
別ページに掲載
3.7 環境影響
会社によって環境に起きる変化。
会社の活動から起きるものだけでなく、製品が使われる時、捨てられる時に起きるもの、製品でなくてもサービスから起きるものなどまで含みます。また、悪くなる方向ばかりでなく、良くなる方向の変化を含みます。
(
環境側面の解説ページも参照)
3.8 環境マネジメントシステム(EMS)
会社の環境負荷を管理(環境マネジメント)する仕組み。
方針、手順、手順書、それらを実施する、内部監査をする、見直す、という一連のそれらの事。
3.9 環境目的
環境目標とともに、別ページに掲載
3.10 環境パフォーマンス
会社の、環境に関する能力、成果、結果(測定可能な結果)。
電力をこのくらい使った、地下水をこのくらいくみ上げた、鋼材をこのくらい使った、排ガスをこのくらい排出した、操業時はこのくらいうるさい、ゴミをこのくらい出した、という様な事です。
【解説】日本語で”パフォーマンス”というと、見せかけだけの行動という意味合いが強い
です。(例:今の首相はパフォーマンスばっかりで何もしない。プロレスラーのマイク
パフォーマンス)しかし、英語で”performance”という時に、その様な意味はほとんど
ありません。一般に日本語で言っている”パフォーマンス”とは意味の違う用語だと理解
して下さい。
尚ISO14001文中では、”環境”を略して単に「パフォーマンス」と書かれている事が
あります。
3.11 環境方針
会社が、だいたいこのように環境マネジメントしていくのだという方向性を示した正式な宣言文。
社長さんに制定されます。
3.12 環境目標
環境目的とともに別ページに掲載
3.13 利害関係者
会社の環境パフォーマンスに関心を持つ個人又は団体。
監督官庁、自然保護団体、近隣住民などの他、誰でも色々な立場で”関心を持つかもしれない”と言ってしまえば、利害関係者になり得ます。ならないのは、会社そのものと言える、経営者くらいでしょう。
【解説】”環境マネジメントシステムは、広く社会のニーズに対応する”のですから、
「経営者以外の誰でも」になっても不思議はないでしょう。
3.14 内部監査
別ページに掲載
3.15 不適合
何かの決まり事に違反しているか、決めた基準に達していないこと。
”決まり事”には、例えばISO14001、環境法規制、会社で決められた手順/目標などがあります。
”決まり事”は明文化が必要とは限りません。また決まり事が文書に書かれている場合は言葉尻にとらわれるべきではありません。どの様なつもりで書かれたのかという事の方が重要です。
3.16 組織
このサイトでは、話を簡単にするために”会社”と表現していますが、会社以外の団体が環境マネジメントシステムを作る事もありますし、会社でも工場単位で環境マネジメントシステムを作る事もあります。その場合は読み替えて下さい。
3.17 予防処置
起きそうな”不適合”が起きないように、その原因を解消する行動(未然防止)
3.18 汚染の予防
「汚染発生の低減」と言い換えると単純でしょう。
使ってしまったり、排出してしまってから、回収・リサイクルを考えるのではなくて、使わない様に、排出しない様にするという考え方。普通は、その様な取り組みの方が金銭的にも安上がりです。
【解説】”汚染”という言葉にはこだわらない方が良いでしょう。英語で言う”pollution”と、
日本語の”汚染”はニュアンスが違います。日本語の”汚染”には、「汚」の字から汚い、
あるいは人体に有害なものに限定して考えられがちです。しかし、”pollution”には、二
酸化炭素、フロンなどの汚くもなく、人体に有害でもないものが含まれて考えられます。
『予防の原則』というのは、今の国連の環境保護活動の原点にもなっているブルントランド
報告書(87年)で強調されていた考え方です。環境マネジメント上、それくらいのレベルの
基本だと考えて下さい。
3.19 手順
環境マネジメントのやり方や仕事のやり方を決めたものや、そのやり方のこと。
3.20 記録
何かしたことについて、どれくらいやったかという事や、後から確認するために確かにやったという事を書いたもの。
記録は文書の一種です。
目次へ 全体のトップへ 表示色の原則